オデッセイ(原題・火星の人)
どうも初めまして、ゴリラです。
自分の好きなものを書き連ねるだけのブログになると思いますが、読んで頂けたら幸いです。
今回は初めてと言うこともあって少し悩みました。
私は映画を観るのが好きです、だからそのことも含めてブログを書こうと思ったんです。でもどうせ書くなら多くの人に見て貰いたいと思うのも人情でして、あまりにもニッチでマニアックなものを初回に持ってくるのはどうなのだろうと思って今回オデッセイを選択しました。
この選択は間違っていないはずです。だって面白いから。
主人公はマット・デイモン演じる植物学者にして宇宙飛行士の「マーク・ワトニー」。彼はミッションスペシャリスト(各分野のエキスパートが訓練を受けて目的、この場合は火星の調査の為に赴任するもの。)として仲間と共に火星に赴き調査を進めるが、予期しない大嵐の発生で調査は中止。急遽脱出船で宇宙船へと戻ることになるのだが、そこで事故が起こりマーク・ワトニーだけが火星に一人取り残されてしまう。
というものです。
そこからワトニーはなんとかしてNASAと連絡を取れるように試みたり(現地に残された施設には水や空気、当座の食料などはあったがこれらは勿論いずれ底をつく。その為自分の生存報告と救出プランを練って貰うためにもNASAと連絡を取れるようにすることは最重要課題だった。)、生きていくために水や食料をどうにかしないといけなかった。
NASAとはどうにか連絡が取れるようになり、食料も何とか自前で供給出来るようになります。
尚、火星の環境では作物が育ちません。それは何故かというと
・薄すぎる大気
火星の大気は地球の0.6%の密度です。地面があるだけで状況としては宇宙空間にいるのとさして変わらないと言うことです。朝も夜もあるので時間の認識はしやすいですが、如何せんそれ以外の所が地球と比べて遙かに過酷なのです。
・地磁気が無い
火星には地球にあるような地磁気がありません。地磁気とは、惑星そのものが発している磁気で、これがあることによって強烈な太陽風や宇宙線から守られます。地磁気は地表に住む生命体にとって無くてはならない強力なシールドなのです。
地磁気が無いという所に全ての端が発しているのですが、そのせいで火星には水も無ければ空気も無い。なので当然生命体の影も形も無く、土の中にバクテリアが存在すると言うことも無いわけです。
地球に近く形も似ていることからよく物語などでは人類の一番近い移住先の様に描かれますが、火星は現実的には人の住むのにまるで適さない惑星なのです。
しかしそれらを受け入れてしまうとマーク・ワトニーに残されるものはハブ(火星調査の為に作られた小規模な建造物。一定期間居住するための空気と水の供給が可能になっている。が、当然マーク・ワトニーが火星から脱出するために必要な期間にはまるで足りない。)に残された物資を食い潰して緩やかに迎える死だけになります。
マーク・ワトニーはこれらの課題を順次こなしながら、火星脱出の計画を練りつつ生き延びていくのです。
作中で最も驚くべきなのはマーク・ワトニーのモチベーションの高さです。
そりゃまぁ諦めたら死ぬのを待つだけなのでモチベーションを高く維持するのは大事なことでしょう。しかしこのマーク・ワトニーと言う男、危機的状況にありながらまるで悲壮感が無いのです。
それどころか逆にこの状況を楽しんでいるんじゃ無いかとさえ思える節があります。それぐらいの人物的パワーが無ければとてもじゃないけど一人残された火星から脱出なんて出来ないんでしょうけど、それにしたって明るい。
飄々と生き抜くための行動を孤独にこなしていくマーク・ワトニーは英雄的でも悲劇的でも無く、ただ日常生活を送っているようにも見えます。
しかしだからこそ、極限状態で冷静でいることが如何に大切なのかが分かるような気もします。劇中のマーク・ワトニーの状態はともかく、平静を失えばすぐそこに死が待ち受けているのが火星なのだろうからです。
結論から言えば、マーク・ワトニーは火星からの脱出を成功させます。勿論それは彼一人の力だけでは無く、彼の仲間を含めたNASAの面々や本当に多くの人たちの尽力があればこそです。
カテゴリーこそSFですが、今までありそうで無かった一つの作品としてこの映画は本当に面白いと言えます。
余談ですがオデッセイは原題を火星の人といい、小説版が先にあります。
小説から映画に起こすのに際して、マーク・ワトニーの行動の多くが削除されている点は否めないでしょう(最も、だからといってこの映画の素晴らしさが損なわれているとは一切思えませんが)。心の中で思った事は表に出しづらいので映画ではなしになるのは当然と言えば当然なのですが、それにしたってマーク・ワトニーはよく喋ります。
私としては是非この小説版もお読み頂きたいところです。通常であれば小説を読んでから映画を見るように薦めるべきなのでしょうが、オデッセイではむしろ逆。映画を見てから小説を読んだ方がより楽しめると思うのです。
それは何故か?
それはビジュアルが映画を見ることによって良い意味で固定化され、シーンを想像しやすくなると思うからです。そうすれば細かい部分も補完しやすくなり、よりマーク・ワトニーとの一体感が生まれると思うのです。
小説版も含め、オデッセイは何回も見ました。そのくらいお気に入りの映画です。見た人は多いでしょうが、もしこれを見てまだオデッセイを見たことが無く、そして少しでもオデッセイに興味が湧いたのならば、是非見てみてください。
SFとかサバイバルも勿論素敵な要素ですが、見ればマーク・ワトニーが好きになること間違いなしですから。
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